可動橋を少し歩いていくと・・・正面に大きな門が佇んでいた・・・。アクロポリスシティ(アップタウン)の入り口だ。
アップタウンへと向かおうとした際、守衛に話しかけれた・・・
「通行証の提示をお願いします」
「えっ・・・・無いです・・・」
「それでは、通すことは出来ません」
「そうですか・・・・」
しょんぼりしながら歩いて行くと、もう一人の守衛が声をかけてきた・・・。
「あ、君君・・・ここから先の“アップタウン”には通行できないけど・・この先の階段を降りて行くとある“ダウンタウン”は通行できるから」
「は、はい・・・」
「おい、なにアドバイスしているんだよ、長官に見られたら処分の対象になるぞ!?」
「あっ・・そうだった・・・それじゃ頑張って!」
そう言うと守衛は元持ち場に戻っていった・・・。
守衛に言われたようにダウンタウンへと降りて行くフィーネ・・・。
ダウンタウンは、闘技場や中央の市場などに人々が集っていた。
フィーネは、ダウンタウンの東側にある酒場へと向かった。
酒場に入ると冒険者や酒豪たちが冒険話などで盛り上がっている。すると、カウンターでソードマンと話していたマスターがフィーネに気が付いた。
「いらっしゃいませ、なにしますか?」
「これをマスターに渡してくださいと頼まれたのですが・・・・」
エミルから手紙をマスターに手渡した。
「あ、これはエミルの紹介状!?よく来たね。ささ、これは僕のおごりだ」
カウンターに手作りケーキと紅茶
不安ではあったが、少しづつケーキを食べていくフィーネ。すると・・・反対側のテーブル席でクエストを終わらせて一息つく冒険者たちが話しているのを耳にした。
「そういえば・・・聞いたかよ」
「あぁ、聞いた・・・ “ダークストライカーズ”だろ?片っ端からボスモンスターを狩りまくっている・・・」
「そうだ」
「ん?じゃあ住民にたちにとっては朗報じゃないか?俺達にとっては悔しいけど・・・・」
「それがそうじゃないんだ、ここ最近ファーイースト方面から村が壊滅されているらしいんだ。」
「なんだって!?」
ある冒険者の大声に酒場店内に居た客は全員驚いた・・・。マスターからクエストの説明を聞いてフィーネも。
「ファーイーストシティはまだなにも起きていないらしいが5の村がやられたことはたしかだ」
「でも、全員ストライカー(2次エキスパートジョブ)だろ?楽勝じゃないか?」
「いや、リーダーはバウンティハンターと聞く・・・名前はたしか・・・・」
酒場内の空気が突如重くなっていく・・・フィーネやマスターを含める全ての冒険者達の視線がそのアーチャーの向いていた・・・。
「たしか・・・なんだ?」
「・・・・・・ごめん忘れた・・滝汗」」
バタンッ
真剣に聞いていた冒険者は一斉に倒れこんでしまった。重くなっていた空気は一気に吹き飛んでしまった。
「お、おい!?(怒)なんだよそれは!!」
「そこまでしか知らないのだから仕方が無いじゃないか~!!・・・・そういえば!」
「??」
「今思い出したんだけど・・・・最近各地でボスクラスモンスターの動きが活発になっているのとダークストライカーズと関係があるみたいなんだ」
「!?」
「・・・・・・僕が知っているのはここまでだよ・・・・」
「・・・・(汗)、あっそうだ・・・・、退治してほしいのは“東アクロニア平原のプルルだよ。」
マスターは説明とクエスト内容を聞いたフィーネは、酒場を出て直ぐ横の階段から東アクロニア平原へと向かっていく・・・。
「(ダークストライカーズ・・・?バウンティングハンター?)」
少し気になり考えながら歩いていると・・・・・
ゴンッ!!
見知らぬ冒険者と出会い頭でぶつかってしまった・・・・。
「痛っ・・・てぇ~~~!!!気をつけろよ、バカヤロゥ!!」
「ご、ごめんなさい・・・・」
少し睨みながら少年はダウンタウンのほうへと下りて行った。しかし、フィーネは、その場で思い出していた・・・。
「(聞いちゃいけないこと聞いちゃったのかな・・・。でも、幾つかの街を壊滅させているって冒険者さん言ってたよね・・・。もしかして、アイアンシティを燃やしたのも・・・・)
」
「・・・君・・・」
「(えっ!?)」
振り返るとそこには騎士の姿があった。
「君、怖い顔をして・・・どうしたんだ?」
「あ、な、なんでもないです。失礼します。」
お辞儀をすると・・・東平原へと走りだした。
「(今は、そんなことを考えている場合じゃないよね。早くクエストを終らせなきゃ・・・)」
東アクロニア平原(10分後)
プルルを7匹撃破し、残りは3匹・・・・。
しかし、他の初心者(ルーキー)達が多く狩をしていたためプルルの姿はいるようで直ぐに居ない状態になっていた・・・。
すると、フィーネはもっと東側へと向かって行く・・・、すると大きな崖の壁の近くにある通路を見つけ其処へ向かっていく・・・・。すると・・・大量のプルルの群れが居た。
これなら・・・
そう思いレプリカソードでプルルを次々に狩って行き・・・クエスト条件が完了した。
「(これで、あとは・・・・マスターさんに報告するだけだね)」
レプリカソードを片付けアクロポリスに帰ろうとしたその時、プルルの大群が一斉に逃げ始めた・・・・。フィーネには何がなんだか解らない・・・。
ふと後ろを向いた瞬間、
ドカッ!!
物凄い力で飛ばされ崖の壁に叩き付けられた。うつ伏せの状態から正面を見てみると其処には、ワイルドボア2頭が其処に立っていた。しかも、ただのワイルドではなかった。身体は黒くそして、白い帯状の模様があった。
「(どうして、ここにワイルドボアが・・・・)」
すると・・・一斉にチャージを仕掛けてくるワイルドボア、フィーネが身を庇おうとしたその時、
「ぶぉ~~~!!」
ワイルドボアの叫びを耳にすると目を少しづつ開けながら様子を見るフィーネ。すると、そこには瀕死状態のワイルドボアと一人の青年が立っていた
立ち上がり足を引き摺りながら青年へと近づくフィーネ
「あなたは?」
「ん?俺はシュバルツだが、お前は?」
「私は、フィォ・・・・フィーネといいます」
「フィーネか覚えておくよ。それより凄い怪我だな・・・。一つ回復のものをやるよ」
そう言うと、シュバルツは、フィーネに燻製肉を差し出した。フィーネは少し躊躇ったが
食べた。
「アクロポリスに用事があるんだが一緒に着いて行ってあげようか?」
「いえ、私自分で行けますから」
「そうか、解った・・・。また、会うことができれば・・・・そうだな、パーティーを組ませてもらおうかな」
「えぇ、楽しみにしています」
そう言うとフィーネはお辞儀をし、アクロポリスへと走っていった。
「ふっ・・」
少し不快な笑みを零すシュバルツ・・・・。其処に黒いローブかぶったセージらしき物が現れた。シュバルツに話しかけた。
「シュバルツ様、例のミッションは終了いたしました」
「そうか、ご苦労だった・・・。次は、北の方角へ向かおう、ファーイーストシティを落とすのはまだ早い」
「了解いたしました。」
次元を超えるかのようにセージは姿を消した。
「今は、力を積むがいい小娘。いつか俺との決戦の日がくるであろう。ダークストライカーズリーダー、シュバルツとな!!」
青年の手助けにより命を救われたフィーネ。しかし、その正体はダークストライカーズのリーダーシュバルツであった。何も知らぬフィーネは、一路ダウンタウンへ向かう。だが、この対面により、運命の輪は、回り始めた。
第2話「運命の輪(仮)」 END
to be continued.PR